尼崎の創業支援税理士が教える！「「売り逃し」を生じさせるな！」

こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。

ある夏の日のこと。

私は顧問先３社を訪問する予定で、電車で移動していました。

２社の訪問が終わり、最後の１社を訪問しようと最寄り駅に着いた途端、それまでの晴天から一転して、土砂降りとなってしまいました。

まあ、夏の午後にはよくある夕立です。

雨はすぐに止みそうな気配もなく、クライアントとのアポイントの時間も迫っていました。

仕方なく、すぐ近くにあったコンビニに走って、ビニール傘を買おうとしました。

しかし、肝心の傘が見当たりません。そこで店員に尋ねると、次のように言いました。

「すいません、在庫を切らしておりまして。」

私の後にも続々とビニール傘を求めたお客様が入ってきましたが、傘が品切れであることがわかると、すぐに店を出て行きます。

私もその後について店を出ると、すぐ近くに別のコンビニがありました。その店からは傘を買った人が、ゾロゾロ出てくる。

「もしかして売り切れるのでは？」と焦って店に入ったが、まだ３０本ほど残っていました。

私はビニール傘を手に入れてホッとし、ついでにフリスクをとって、レジに並びました。

レジに並んでいる人を見ると、みんな傘を買っているようですが、それだけではなく、ガム、缶コーヒー、タバコ、お菓子、おにぎりなど、ついでのものも買っています。

そして、後から店に入ってきた人も、「傘プラスアルファ」を手にとって、レジへと向かい、レジは長蛇の列となっていました。

私はクライアントへの訪問で急いでいたので、一部始終を見たわけではありませんが、このコンビニのお客様の出入りから推測すると、傘を買った人は３０人は下らないでしょう。

正確には覚えていませんが、私はビニール傘とフリスクで約７００円を支払いました。

１人あたりの客単価を、私が支払った７００円とすると、

７００円　×　３０人　＝　２１，０００円

このコンビニは、夕立からのほんの数十分で２１，０００円の売上をあげたと推測できます。

一方で、前者のコンビニは、傘の売上はゼロです。

傘の「ついで商品」の売上もゼロです。

同じ駅近くのコンビニなのに、ほんの数十分で２１，０００円の売上の差が生じる。

では、この２つのコンビニの違いは何でしょうか？

雨の日に傘を置いていたかどうか、ただ、それだけの違いなのです。

小売の世界では「売り逃し」という言葉がよく使われまする。

せっかく買ってくれるお客様がたくさんいるのに、商品の仕入が少ないために、売上のチャンスを逃すというものです。

より多くの利益を上げるためには、この「売り逃し」を生じさせてはいけません。

ある会社の社長は、従業員に対して次のようなことを言っていました。

「暑い日にアイスがない、雨の日に傘がない、寒い日に肉まんがない・・・ありへんやろ！」

こう言って、どれだけ仕入れれば会社の利益を最大化できるのか、これを常に意識するように指導していました。

せっかくの売上を上げるチャンスなのに、商品がなくて、その機会を失っていませんか？

ぜひ、「売り逃し」の回避策を、常に意識して下さいね。

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