尼崎の創業支援税理士が教える!「チワワに象のエサは無理です」 2018.02.13
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 以前に、顧問先のK社長にAさんと言う方を紹介してもらいました。 このAさんはK社長の大学時代の後輩で、ソフトウェア会社で開発担当をしていたのですが、1年ほど前に退職し、退職金の200万円を元手に会社を設立したとのこと。 起業当初はとにかく売上を作るため、割に合わない売上案件も積極的に受注していたが、創業から半年もすると、徐々に利益が取れる開発案件も来るようになり、創業1年目は黒字で終われそうな見込に。 |
そんな中、Aさんの会社に大きな受注案件の話が転がり込んできたそうで、K社長と次のようなやり取りが交わされていました。
K社長 「大きな案件って、どれくらいの案件なん?」
Aさん 「それが、すごいんですよ。大手からの依頼で、受注金額5000万円くらいになる開発案件なんです。」
K社長 「それはデカイなあ。そやけど、自分とこって従業員おらへんのやろ?そんなデカイ案件、こなせるの?」
Aさん 「もちろん、外注に頼みますよ。」
K社長 「それで、自分とこはなんぼ儲かるの?」
Aさん 「うちの粗利率はだいたい20%なので、1000万円ってとこです。」
K社長 「ということは外注費で4000万円か。自分とこって手許の資金どれくらいあるの?」
Aさん 「200万円くらいですかね」
K社長 「それ、ヤバないか?どこかでつまづいたら、終わってまうで。」
Aさん 「“つまづく”って、どんなことが考えられますか?」
K社長 「例えば、受注先からの支払が遅れたり、途中で設計変更が入って開発期間が長引いたり、外注の都合で開発が遅れて入金が遅れることもあり得るわな。そうなったら、資金面で全く余裕がないから、終わってまうんとちゃう?」
Aさん 「でも、経営には常にリスクが伴うんと違いますか?」
K社長 「これはリスクというレベルやなくて、一か八かの博打やな。悪いことは言わん。元請は他の大きな会社に譲って、おいしいとこだけを部分的にもらう方がええで。」
Aさん 「でも、こんな“ごちそう”を見逃すなんて、もったいないと思うんですけど。」
K社長 「いや、もったいないかもしれへんけど、そもそも、ちっちゃい会社にデッカい仕事は無理やねん。考えてみい。チワワに象の餌は無理やろ?」
私は「もっともだ」と思いながら、このやり取りを聞いていました。
自分の身の丈を超えた大きな売上は、その分、身の丈を超えた大きなリスクを抱えることになってしまいます。
大きすぎる売上に対しては、大きすぎる役務の提供が必要になり、大きすぎる原価の支払いが発生し、大きすぎる回収リスクを伴うことになるからです。
1つでもつまずいてしまえば、その時点であなたのビジネスはゲームオーバーになってしまいます。
もちろん、どんなビジネスにもリスクはつきまといます。
しかし、そのリスクは、あなたの身の丈にあったものでなければ、対処のしようがないのです。
リスクを背負う前には、ぜひ、自分の身の丈を理解するように努めて下さいね。
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