尼崎の創業支援税理士が教える!「起業家が押さえておくべき、品ぞろえの基本」2016.11.15
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 今回は“品ぞろえ”について解説します。
人が商品を買おうとするとき、選択肢が1つしかないと、「買おうか、それともやめておこうか」と悩むことになります。 ここで選択肢が2つあると、「どちらを買おうか」と悩むようになります。 人は比較できるものがあることで判断がしやすくなり、購入へと進みやすくなるのです。 |
商品が1つしかなければ、お客様はライバル店の商品と比較しようとします。
商品が2つあれば、お客様に自店の商品の中から選んでもらうように誘導できます。
売上アップに効果的な手法であると言えます。
しかし、2つの選択肢でも、売上アップの策としては十分ではありません。
選択肢は3つある方が売上につなげやすいのです。
有名な話ですが、イトーヨーカ堂が羽毛布団を店頭に並べてセールを行った時の話です。
3万円と7万円の2種類をそろえたが、なかなか売れない。
そこで、中間の価格帯である5万円の羽毛布団を追加すると、羽毛布団が急激に売れ始めたそうです。(「商売の原点」鈴木敏文著 講談社)
2つの選択肢だと、「どちらを買おうか」と悩むものの、購入にまでつなげるには、もうひと押し必要となるようです。
お客様は「その価格が高いのか、安いのか」を判断してから買おうとします。
この時、3万円と7万円だけでは価格が離れているため、買う側としては判断できません。
そこで、5万円の羽毛布団を追加すると、これが価格を比較する判断基準となり、売上があがり始めたそうです。
この3つの価格帯の商品を揃えることを、「松・竹・梅の法則」といいます。
選択肢が多ければ多いほど良いということではありません。
人は選択肢が多すぎると、逆に選べなくなるとも言われています。
選択肢を3つに設定する、これが重要なポイントなのです。
ここで少し考えてみて下さい。
飲食店でよく見られる事例ですが、下記の3つのコースがあったとします。
梅コース 3000円
竹コース 5000円
松コース 10000円
あなたなら、どのコースを選ぶでしょうか?
もちろん、実際のメニューを見ないと判断はできないでしょう。
しかし、統計的にみると、「竹」コースを選ぶ人が多いようです。
人間が集団を構成すると、上位が2割、普通が6割、下位が2割となる「2対6対2の法則」というものもありますが、ここでも、6割が「竹」を選び、「松」・「梅」を選ぶ人はそれぞれ2割くらいになるそうです。
ちなみに、この法則が当てはまるのは、日本人だけでなく万国共通のようです。
しっかりと売上を稼ぎ出す起業家はこのようなお客様の購買心理を把握した上で、つねに売上アップ策を考えています。
・ | 「竹」を選ぶ人が多いので、「竹」を利益率の高い商品にしてみてはどうか? |
・ | 「竹」にお得感がでるように、「松」のメニューと大差なくしてみてはどうか? |
・ | 「竹」を安く感じてもらうように、「松」の価格を引き上げてみてはどうか? |
このような仮説を立てて、実行し、それを検証していきます。
お客様の選択肢を増やす「松・竹・梅の法則」、ぜひこれから実践してみて下さい。
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