尼崎の創業支援税理士が教える!
「起業家が押さえておくべき、「コストの使い方」とは?」 2016.09.13
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 今回は、起業家が押さえておくべき「コストの使い方」について解説します。 コストは発生の仕方によって、大きく2つのコストに分けることができます。
1つが「変動費」。 これは、売上に比例して増減する費用です。 例えば、商品の仕入コスト、製品を作るための材料費、商品を発送するための荷造運賃、お客様をご紹介頂いた先への手数料などは、売上が増えれば、それに応じて追加コストが発生し、逆に売上が減れば、その分のコストはかかりません。 |
もう1つが「固定費」。
これは、売上の増減に関係なく、一定の金額が発生する費用です。
例えば、オフィスの家賃、機械などのリース代、それから人件費。
これらのコストは、売上が全くあがらなかったとしても、支払わないといけません。
さて、ここで次の問題を考えてみて下さい。
あなたなら、どちらの策をとりますか?
【問題】
あなたは、未だ市場には出ていない新商品を販売する会社を起業しました。
そこで、あなたは次の2つの販売戦略を考えています。
A案 一等地に店舗を構えて、自社で販売する
B案 販売代理店を探して、販売をお願いする
この時の利益予想は次のようになりました。
さて、あなたはA案、B案、どちらをとりますか?
予想売上高が1億(100)の時には、営業利益はどちらも同じ1000万円(10)。
しかし、ここで考えて欲しいのは、売上が予想通りあがらなかった時に、このA案、B案がどのように変化するか、ということです。
仮に、売上が予想よりも30%低かった時と、予想よりも30%高かった時の数値は次のようになります。
この問題で分かるように、予想よりも売上があがらなかった時、A案が赤字になるのに対して、B案は黒字を確保しています。
一方、予想よりも売上があがった場合には、A案の利益がB案の利益を大きく上回っています。
つまり、A案のように固定費を多く使うタイプは、ハイリスク、ハイリターンとなり、
B案のように変動費を多く使うタイプは、ローリスク、ローリターンとなるのです。
これまで多くの起業家をみてきましたが、赤字起業家と黒字起業家は、この変動費と固定費の使い方の順番に大きな違いがあります。
すぐに会社を潰してしまう赤字起業家の「黄金パターン」は、こんな感じです。
テスト販売もせず売れる見込み全くないのに、自分のヤマ感のみで「行ける!」と判断。
家賃が高すぎる一等地に出店し、必要以上に人を雇う。
しかし、いつまでたっても売上があがらず、たった数ヶ月で家賃や給料の支払ができなくなる。
つまり、いきなり必要以上の「固定費」を使ってしまうのが特徴なのです。
一方、黒字起業家は、まず変動費を使おうとします。
「売ってくれたら、その一部を手数料としてお返しします。」といった形で始めようとします。
これなら、売上があがらなければコストは発生せず、会社も潰れにくいのです。
売上が予想以上にあがると、より大きなリターンを得るために、ここから固定費を使うのです。
つまり、起業家が押さえておくべき「コストの使い方」の順番は、変動費が先、固定費が後 となるのです。
あなたが考えているコストは、変動費と固定費のどちらでしょうか?
その使い方の順番はどうでしょうか?
ぜひ、一度見直してみてくださいね。
私どもでは、「コストの使い方」についても、しっかりとアドバイスさせて頂き、黒字起業家になっていただくようサポートします。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
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