尼崎の創業支援税理士が教える!
「創業融資を受ける際の「自己資金要件」とは?」 2016.05.31
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 前回は、お金を借りられない人について解説しました。 「立派な創業計画書を作っても、借りられない人とは?」の記事はこちら
前回の記事で書いたような“支払事故”の心配がないような方は、創業融資を受けられる可能性が大いにありますが、では、いくらくらい借りることができるのでしょうか? そこで、押さえておきたいのが、創業融資の世界にある、「自己資金要件」というものです。 |
「自己資金」とは、日本政策金融公庫の新創業融資制度や、一部の信用保証協会付融資(制度融資)を利用する場合に自分で最低限用意しなければならない金額、のことです。
この自己資金の最低額については、金〇〇万円などのように定額で決められているわけではなく、通常は、「創業にかかる経費の何分の1以上」というふうに定められています。
実は、日本政策金融公庫では、平成24年3月に「新創業融資」の改正(緩和)が行われ、この自己資金の要件を、従来の3分の1から10分の1へと大幅に引き上げました。
簡単に言えば、それまでは仮に、総額で1,200万円が必要な事業を行う場合には、400万円(全体の1/3)以上の自己資金がなければ、残りの800万円の融資を申し込むことができなかったのですが、上記の改正により、120万円(全体の1/10)の自己資金があれば、残りの1080万円について融資の申し込みが可能、ということになります。
この「自己資金要件」が緩和されてから、私どもの事務所にも自己資金の9倍まで借りることができる前提で創業計画書を作成し、相談に来られる方が多くなりました。
それでは、誰でも自己資金の9倍まで、融資が受けられるのでしょうか?
残念ながら、そうではありません。
聞くところによると、この9倍の融資が受けられるのは、よほど“ピカピカ”なご経歴をお持ちの、ほんの一握りの起業家に限定されるようです。
現実的には、従来と同様、自己資金の2倍の融資が妥当なラインとされているようです。
従って、起業に必要な総額の3分の1は自分で出す必要があると考えて下さい。
さて、この自己資金の証明の仕方について、勘違いされている方が多いのも事実です。
この自己資金について、巷ではこんな都市伝説があると聞いたことがあります。
「初めに1000万円の見せ金を用意できれば、これをもとに日本政策金融公庫で900万円の融資が受けられる。
そして、次に、この900万円を自己資金として見せたら、さらに信用保証協会付融資を受けられる」
残念ながら、この都市伝説は全くの誤りです。
自己資金が「見せ金」でないかどうかは融資の審査で必ずチェックされます。
1 自己資金は「コツコツと貯めたお金」であること。
2 そのお金を貯めた経緯が通帳等ではっきりわかること。
3 自己資金のベースとなるのは、「創業にかかるすべての経費」であること。
これが「自己資金の3原則」です。
創業融資を検討されている方は、この自己資金要件をしっかりと押さえた上で、チャレンジしてみてください。
もちろん、私どもでも創業融資については、しっかりとアドバイスさせて頂きます。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
起業成功のノウハウが詰まった拙著『起業するならもっと数字で考えなきゃ!』、よろしければ読んで下さいませ。