銀行格付の裏側!銀行格付における自己資本比率の基準とは!? 2021.6.15
こんにちは、(元メガバンク出身)創業融資専門家の宮谷祐史です。
これから事業を始めると「自己資本比率」という言葉をよく耳にするようになると思います。 簡単に言うと、「会社の体力を示す指標」です。
前回お伝えした通り、金融機関が融資先を「格付評価する際の2つのポイント」の1つである「自己資本比率」。 今回はその基準について詳しくお伝えしてまいります。 (もう1つのポイント「債務償還年数」については次回以降お伝えします)
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まず自己資本比率の数値で重要な基準として、
「債務超過(自己資本比率がマイナス)でない」ということです。
債務超過とは、貸借対照表において負債が資産を上回る状態のことです。
すなわち財務体力が乏しい状態を示しており、倒産するリスクが高い企業といえます。
債務超過先は基本的に「要注意先以下(格付7以下)」となり、さらに債務超過解消年数を元に、長ければ長いほど格付は悪くなります。
→債務超過を解消するためには黒字でなければなりません。
一方、自己資本比率がプラスの場合、自己資本比率が「30%超」「15%超」などの基準に沿って、格付が変動します。
そのため、利益を残し、自己資本を積み上げることは、金融機関との交渉を優位に進めることにつながるため、長期的な視点では必要なことといえるでしょう。
ちなみに皆さんが今、手元の決算書を見て、「自己資本比率が30%以上あるから大丈夫」と安易に考えてはいけません。
それはなぜかというと、金融機関は決算書の数値を鵜吞みにして、自己資本比率を計算しません。
貸借対照表の中身をしっかりと精査し、
例えば、
不良債権(焦げ付いた売掛金や貸付金)がないか、固定資産の評価は妥当か、などなど
各資産の数値の洗い替えを行い、実態に沿った自己資本比率を計算するのです。
このように銀行の目は優しくありません。
そのため自己資本比率を向上させるためには、大きく分けて2つの方法しかないのです。
・1つ目は「増資をする」
・2つ目は「利益をあげる」
増資には限界があることからも、自己資本比率を上げるには、利益を上げて、納税をして、コツコツ自己資本を積み上げるしかないことを肝に銘じてください。
以上、今回は「自己資本比率の基準」についてお伝えしました。
次回は、もう1つのポイントである「債務償還年数」についてお伝えしますね!
いかがでしたか。
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