尼崎の創業支援税理士が教える!「競争環境の分析、ちゃんとしていますか?」 2017.03.14
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。
前回に続き、また家族ネタでのスタートとなりますが、数年前に友人に夏休みの旅行の相談をした時のこと。 その年は娘の塾が忙しく、お盆の3日間だけしか休みがありませんでした。 娘も息子もプール好きということで、1日中思い切り泳げそうな「〇×ランド」の名を挙げたところ、友人は突然、iPadを取り出して何やら検索を始め、その検索結果の画像を私に見せてくれました。 |
「ほら、これ、去年のお盆の〇×ランド。思いっきり泳ぎたいヤツが、芋洗い状態のプールに行くか?」
見ると、体を横たえることもできないほどの人、人、人。
画像を見て絶句した私は、〇×ランドに行くことを断念しました。
こんなに人が多くては、スライダーや食事は何時間待ちになることか・・・
お金、時間、体力など私が持っている「資源」をフル活用しても、周囲のライバルとの戦いに、ただただ体力を消耗するだけで、満足行く成果は期待できないでしょう。
これと同じように、ビジネスの世界でも「業界の競争環境」を把握しておく必要があります。
一見、楽しそうなプール(儲かりそうな業界)に見えても、多くのライバルとの血みどろの戦いに巻き込まれ、全然楽しめない(儲からない)ことはよくあるからです。
有名な経営学者のマイケル・E・ポーターは、業界の競争環境を分析するのに「5つの競争要因(の分析)」を提唱しており、その5つとは次の通りです。
1 新規参入業者
業界に新たに参入する可能性のある企業を指し、この新規参入が容易なほど、業界の競争は激化し、収益性の低下を招きやすくなります。
新規参入の脅威がどれくらいあるかは、参入障壁の大きさや既存業者の報復によって決まります。
2 競争業者
いわゆる競合企業のことであり、競合企業との敵対関係が強いほど、業界の魅力度は小さくなります。
同業者が多数いる、業界の成長が遅い、固定コスト・在庫コストが高い、製品差別化が難しくスイッチングコストが低い、戦略的な賭けをしている企業がある、撤退障壁が大きい、などが競争を激しくさせる要因です。
3 代替品
代替品には大きく2種類あります。
1つは、形態は異なるが機能が同じ製品・サービス。
もう1つは、形態も機能も異なるが目的が同じ製品・サービス。
このような代替可能な製品・サービスが、業界の外から現れる脅威が大きいほど、業界の競争は激しくなります。
4 買い手
業界から製品やサービスを購入する顧客のことであり、買い手の交渉力が強いと値引きを強要したり、業者を競わせたりして、その業界の競争が激化します。
5 売り手
業界に製品やサービスを提供する供給業者のことであり、売り手の商品が買い手にとって必要不可欠な場合や売り手の業界が少数の企業による寡占状態の場合に売り手の交渉力が強くなり、業界の競争は激しくなります。
この「5つの競争要因」の分析から、この業界に参入するべきか、参入するとしたら何に経営資源を優先的に投入すべきか、あるいは撤退すべきか、といったことを検討することは、やはり「ビジネスの基本」です。
あなたが始めようとしているビジネスの、5つの競争要因はどんな感じなのか? ぜひ一度分析してみて下さいね。
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