尼崎の創業支援税理士が教える!
「融資を申し込むのは、資金に余裕がある時?それとも余裕がない時?」 2016.06.14
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 前回は、融資の世界における「連帯保証人」や「担保」について解説しました。 「融資の際に金融機関から要求される連帯保証人や担保とは?」はこちら
連帯保証人や担保の話をすると、融資を申し込むのは、「資金によほど余裕がなくなってからにしよう」と思われる方も少なくないでしょう。 しかし、融資を申し込むタイミングは、本当に「資金に余裕がなくなってから」で良いのでしょうか? |
押さえておきたいポイント
銀行にあるのは日傘だけ。雨傘は一本もない。
数年前に「半沢直樹」というTVドラマがありました。
主人公である半沢直樹の「倍返し」という言葉が、その年の流行語大賞に選ばれるなど、大変な人気ドラマでしたが、そこで描かれていた銀行はまさに、
「晴れた日に傘を貸し、雨の日に傘を取り上げる」
といった感じのものでした。
このフレーズは銀行を揶揄する際によく使われるもののようですが、要するに、「景気が良いとき(晴れの日)には喜んでお金(傘)貸してくれるが、景気が悪くなったら(雨の日)返済を迫る(取り上げる)」ということです。
果たして、これは事実なのでしょうか?
答えはイエスです。
銀行にあるのは日傘だけ。雨傘は一本もない。
これが現実なのです。
これは銀行のビジネスモデルを考えると、理解できる話なのではないでしょうか?
銀行のお金は預金者からの預り金です。
あなたが銀行に預けているお金を、回収不能にされたらたまったものではありませんよね。
だから、経営が行き詰まった(雨が降っている)会社には、お金を貸すことなどできないのです。
残念ながら、銀行は困った会社を助けるための、ボランティア活動を行う機関ではありません。
預金者から預かったお金を健全に運用することを前提に、経済活動の血液であるお金を円滑に循環させるための機関なのです。
だから、銀行が融資するのはあくまでも、前向きな資金、晴れている時に貸す『日傘』なのです。
以前、起業予定のAさんと、次のようなやり取りがありました。
Aさん 『小さなお店を開業します。貯金と親からの援助を合わせて700万円あります。とりあえず手持ち資金だけで事業をスタートしてみようと思っています。』
私 『黒字化するのは3か月後の計画ですね。でも、黒字化が遅れたら資金不足に陥りそうですね。』
Aさん 『予定通り立ち上がらなかったら、銀行に融資をお願いしようと考えています。それに、周囲から「借り入れはできるだけするな」と言われていますので。』
Aさんのような考え方をされている方は意外に多いです。
しかし、このような考え方だったがばかりに、起業人生が短命に終わってしまった方を、私はたくさん知っています。
「借入れは絶対しない」という強い決意を持たれている方なら話は別ですが、「お金に困ってから借りよう」というスタンスの方には、次のようにアドバイスをしています。
「困ってからでは借りられません。困っていない今のうちに融資を受けましょう!」
ギリギリの資金計画で開業するよりも、創業融資を受けて資金に余裕を持って経営したほうが、はるかに楽なはずです。
融資を受けると確かに金利を支払う必要はありますが、いざお金に困った時に、借りられないリスクと比べて考えると、決して大したコストではないと思います。
繰り返しになりますが、銀行が貸し出すのは「日傘」だけです。
だから、資金調達の大原則は、「晴れの日」に借りること、つまり、「まだ、資金に余裕がある時」なのです。
融資を申し込むタイミングについて悩まれている方は、私どもの方で、しっかりとアドバイスさせて頂きます。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
起業成功のノウハウが詰まった拙著『起業するならもっと数字で考えなきゃ!』、よろしければ読んで下さいませ。