尼崎の創業支援税理士が教える!
「出張が多い起業家は、出張旅費規程を作ろう!」 2016.03.25
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 起業家の中には、営業地域が広く遠方への出張の回数が多い人もいるでしょう。 そんな起業家に、私は「出張旅費規程を作った方がいいですよ」と、よくアドバイスをします。 なぜなら、出張する度に給与とは別に、出張手当を出すことができるからです。 |
もう少し詳しく説明してみますね。
この出張手当、残念ながら個人事業の場合には認められません。
しかし、会社を設立して「出張旅費規程」を整備していれば、会社から社長個人に出張手当を支払うことができます。
しかも、この出張手当は支払う側の会社にとっても、もらう側の個人にとっても、節税につながります。
会社では、出張手当を交通費や福利厚生費として必要経費にできますが、これは消費税の計算においても「課税仕入(消費税を払っていることになる)」にできます。
まあ、消費税の申告において有利になるということですね。
一方の個人の方では、もらった出張手当は給与の場合と違い、所得税や住民税がかからないのです。
もちろん、だからと言って「出張手当をいくらでも払っていい」、という訳ではありません。
世間相場などを考慮する必要がありますし、何より重要なことは適切な「出張旅費規程」を整備しておくことです。
そこで、出張旅費規程を整備するためのポイントを、いくつか解説しておきますね。
押さえておきたいポイント 1
規程の適用対象者について
この規程の適用対象者を社長だけとすることはできません。
他の役員を含め、社員全員を適用の対象者としなければなりません。
押さえておきたいポイント 2
出張の定義づけについて
出張と言っても、比較的近距離の場合もあれば、遠距離のケースもあるため、距離などによって、出張を定義づける必要があります。
特に明確な基準があるわけではありませんが、
おおむね100km以内を「近出張」、それを超えるものを「遠出張」
といったように定義づける必要があります。
押さえておきたいポイント3
旅費の種類について
旅費の種類としては、主に下記のようなものがあります。
■交通費
鉄道、航空機、船舶、タクシーその他の交通手段などの区分に分けられますが、この項目は基本的に実費精算とします。
新幹線等のグリーン車の利用について、役職に応じて可能とする場合には、その旨を明記する必要があります。
■日当
特に明確な基準があるわけではありませんが、「近出張」と「「遠出張」に分けて、1日当たりの金額を一律に定めます。
また、役職に応じて変更する場合には、その旨を明記します。
(具体例)
近出張・・・従業員:2000円、役員:4000円、社長:8000円
遠出張・・・従業員:3000円、役員:6000円、社長:12000円
■宿泊費
宿泊費については、1日の上限を決めて、掛かった費用を実費精算にしているケースが多いです。
(具体例)
1泊・・・従業員:9000円以下、役員:11000円以下、社長:13000円以下
■食事代
「食事代」も支給するように定めているケースもあります。
(具体例)
・朝食代(1000円位)朝6時前に自宅を出発した場合、ホテルに宿泊した次の朝等
・昼食代(1000円位)出張が12時を挟む場合等
・夕食代(2000円位)夜22時以降に自宅に帰宅した場合、又はホテルに宿泊した夜等
押さえておきたいポイント4
出張手続について
出張に行く前に出張申請書の作成、旅費についての仮払金の申請、出張後の旅費精算など出張に関する業務フローを明確にして、定めておく必要があります。
以上が「出張旅費規程」を整備する主なポイントです。
もちろん、出張旅費規程があれば何でもOKという訳ではなく、適切な規程を整備し、適切に運用する必要がありますので、出張旅費規程を作ってみよう!と思った方は、一度、専門家に相談をされてみることをオススメします。
もちろん、私どもでも出張旅費規程については、しっかりとアドバイスさせて頂きます。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
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