尼崎の創業支援税理士が教える!「人を増やす前に、要らない仕事を捨てよう!」2018.12.04
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 前回は、採用コストについて考えてみました。 「1人採用するのに、コストはいくらかかるのか?」の記事はこちら
従業員が1名辞めることになると、つい、その1名を補充しようと採用活動に踏み切りますよね。 そして、仕事の引き継ぎとして、辞める従業員が新しく入った社員に1ヶ月ほど教えます。 |
この1ヶ月間は、1人でやっていた仕事に2人分の人件費を支払うことになりますが、それでも業務が滞ることは避けたい。
これは、よく見られる光景ですが、果たしてその引き継いだ仕事は、本当に必要な仕事なのでしょうか?
そして、その1名の採用は本当に必要なのでしょうか?
私どもの顧問先のある社長は、従業員の補充の話が出ると、決まってこう言うそうです。
「人を増やす前に、要らん仕事を捨てろ!」
まず、今の仕事の中で、会社にとって不要な仕事がないかを探し、あれば、それを捨てます。
不要な仕事を捨てても、なお人の補充が必要であれば、もちろん採用すればいいでしょう。
しかし、不要な仕事は、意外に会社にたくさん潜んでいるものです。
その顧問先の社長に聞いた話では、それまで数十種類の管理資料を作成していた方が退職することになり、すぐに1名を補充することになり、約1ヶ月間、その管理資料作成業務の引継ぎを行ったそうです。
その際に、引継ぎを受けた従業員が辞める従業員に、こう質問をしたそうです。
「ところで、これらの管理資料は、どういう目的で作っているのでしょうか?」
すると、辞める従業員は、こう言ったそうだ。
「さあ?社長に聞いて下さい。私は前任者から引き継いだだけなので。」
新しく入った従業員が社長に確認しにきたところ、実はこれまで辞める従業員が作っていた資料の半分以上は、残念ながら誰も見ていないことがわかったそうです。
その業務時間だけで判断すると、正社員ではなく、週2~3日程度のパート採用で十分だったそうです。
人が辞めると、当然のように代わりの人を補充しようと考えたり、新しい仕事が増えても、その仕事に合わせて1人増やそうと考えたりしてしまいます。
しかし、その結果、ムダな業務はいつまでも残ってしまい、社員の生産性はどんどん低くなってしまいます。
理想的なのは、人が辞める時には、不要な業務を捨てるチャンスと考えることです。
そうして、価値のある仕事だけを残し、従業員の生産性を高めていくのです。
生産現場の業務改善でよく使われるものに、「ECRSの原則」と呼ばれるものがあります。
Eliminate(排除)
その業務の目的を再度見直して、その業務はなくせないのかを考える。
Combine(結合)
業務をまとめて一緒にすることで、その業務にかかる時間を短くできないかを考える。
Rearrange(順番の入れ替え)
仕事や作業の順番を入れ替えることで、効率的にならないかを考える。
Simplify(単純化)
もっと簡素化したやり方で、同じ結果を生み出せないかを考える。
このE→C→R→Sの順番に業務を見直していけば、不要な仕事を見つけることができるかもしれません。
まずは、要らない仕事を捨ててから、採用を考えて下さいね。
幣社では、上記のような「起業成功のノウハウ」をしっかり身につけるための「会員制勉強会」を開催するなど、税務や会計面だけでなく、黒字化サポートにも力をいれております。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
起業成功のノウハウが詰まった拙著『起業するならもっと数字で考えなきゃ!』、よろしければ読んで下さいませ。