尼崎の創業支援税理士が教える!「資本金はいくらにしたらいいのか?」 2016.02.19
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 会社を設立しようとする方からよく受ける相談に、「資本金はいくらにしたらいいか?」というものがあります。 資本金とは、会社を設立して事業を始める際に、最初に元手として出資するお金のことです。 会社を設立した後は、この元手となる資金で商品や会社の備品を購入したり、仕入代金にあてたり、経費を支払ったりするなど、経営のために使用することになります。
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以前は最低資本金制度というものがありまして、株式会社を設立するには1000万円、有限会社(現在はなし)を設立する場合には300万円以上の資本金が必要でした。
しかし、平成18年の会社法改正に伴い、この制度が撤廃され、「資本金はいくらでもいい」、となりました。
「いくらでもいい」となると、逆に悩んでしまうという方も多いですよね。
そこで、今回は資本金を決める際のポイントをいくつか解説します。
押さえておきたいポイント1
税金面を考えるなら、資本金は1000万円未満で
かつての最低資本金制度はすでになくなったのですが、いまだに「資本金1000万円」にこだわる方は意外に多いです。
しかし、設立時の資本金1000万円は、税金面での負担が大きくなります。
それは以前にも解説した消費税です。
以前に「消費税対策の王道は、個人2年、法人2年」という話をしましたが、法人で消費税を2年間免税とするための条件の1つが、
資本金1000万円未満
ということす。
つまり、資本金を1000万円にしてしまうと、
設立初年度から消費税の課税事業者となり、納税しなければならなくなります。
さらに、資本金が1000万円を超えると、法人住民税の均等割が上がるなど、実は、資本金の額は大きくなればなるほど負担が大きくなる仕組みになっています。
従って、税金面から考えると、設立時の資本金は、1000万円未満にしておくのが賢明だと言えるのです。
押さえておきたいポイント 2
資本金が少なすぎるのは、「うちは信用力がありません!」とアピールしているようなもの
それでは逆に、資本金は小さければ小さいほどいいのでしょうか?
会社法上はいくらでもいいとなっているので、資本金1円で会社を作ることも可能です。
しかし、資本金1円の会社を私は未だに見たことがありません。
というか、もし「資本金1円で設立したい!」という方がいたら、専門家はまずオススメしません。
それは、会社の「信用面」を考えてのことです。
会社の資本金というものは、会社の登記簿謄本に記載されることになりますが、
この登記簿謄本は誰でも取得して、閲覧することができます。
閲覧する人は、一般的にこの資本金を見て、その会社の信用度をはかります。
このとき、「資本金1円」という会社は、どのように評価されるでしょうか?
ご想像の通り、全く評価されません。
特に大手企業との取引は、まず期待できないでしょう。
また、最初の元手が1円ということであれば、
たった1円の赤字で元手を食いつぶし、すぐに債務超過となってしまいます。
そうなると、金融機関からの融資もまず期待できません。
「資本金1円」というのは、話の“ネタ”にはなるかもしれませんが、事業における取引や融資のことを考えると、全くオススメできないのです。
それでは、資本金はどのようにして決めるのがいいのでしょうか?
通常、事業を始めてもすぐに取引先から入金があるわけではないので、
初期コストと2〜3か月くらいのランニングコスト
を参考にして決めるケースが多いです。
また、許認可が必要な業種なら、その要件とされている資本金にすることが多い。例えば、
有料職業紹介事業が500万円、一般労働者派遣業が2000万円
といった具合でしょうか。
許認可などが必要ない場合は、
100万円、300万円、500万円
といったあたりに設定されている方が多いように思います。
資本金をいくらにするかでお悩みの方は、一度、専門家に相談をされてみることをオススメします。
もちろん、私どもでも資本金の決め方については、しっかりとアドバイスさせて頂きます。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
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