尼崎の創業支援税理士が教える!「売上計画を立てる2つのアプローチ」 2017.06.13
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 今回は売上計画の立て方について、解説しますね。
起業の相談に乗っていると、職業柄か、必ず売上の数値計画を聞いてしまいます。 大きな売上数値を掲げる方もいれば、控えめな方もいますが、その根拠となる考え方を聞くと、計画数値の立て方は大きく2つのパターンに分かれます。 |
1人目のパターンはこんな感じです。
・日本国内の人口は1億2000万人
・このうちの5%が、うちのビジネスの見込客になり得る
・この見込客の中で10%のシェアを押さえる
・顧客1人当たりの売上は年間で3万円
→ 1億2000万人×5%×10%×3万円=年間180億円
このように楽観的な構想をもとに計画数値を導き出す方法をトップダウン方式といいます。
一方、2人目のパターンはこんな感じです。
・各テレアポ担当者は1日当たり200件の電話セールスをかける
・セールス電話の3%が契約に結びつく
・営業日は年240日
・顧客1人当たりの売上は年間で3万円
・テレアポ担当者を2人雇う
→200件×3%×240日×3万円×2人=8640万円
このように現実的な予測に基づき計画数値を導き出す方法をボトムアップ方式といいます。
売上などの数値計画を立てる際に、トップダウン方式によるべきか、それともボトムアップ方式によるべきか、と議論になるのはよくある話ですが、トップダウン方式は得てして、実態と乖離してしまい、実現不可能な計画となりがちです。
一方のボトムアップ方式では“伸びしろ”がなく、できて当たり前の現実的すぎる計画になりがちです。
では、どうすればよいのでしょうか?
私は、5年後の中長期的なゴールとなる目標数値はトップダウン方式で掲げ、その後に1〜3年の短期的な計画をボトムアップ方式で立てていくのが良い、という考えです。
京セラ創業者でJALの再生も見事に果たした名経営者、稲盛和夫氏の名言に下記の言葉があります。
「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」
新しいことにチャレンジする際には、ワクワクしながら遊び心を持って、楽観的に構想し、まず「こうなりたい」といった夢や希望を持たなければなりません。
構想を練る本人がその夢や希望に熱い気持ちを抱けないのであれば、誰も共感してくれず、応援してくれる人も出てきません。
だから、中長期的なゴールとなる目標数値は、トップダウン方式で立てる方がいいのです。
しかし、短期的な計画段階ではそれではいけません。
楽観的で夢のような大きな目標であればあるほど、それに伴うリスクも大きくなります。そこで悲観的な視点を持ち、リスクを回避する対策も考慮しながら、具体的な計画を立てなければなりません。
だから1〜3年の短期計画はボトムアップ方式で立てるほうがいいのです。
そして、実行段階においては、トップダウン方式で掲げた目標数値を「必ずできる」という自信をもち、楽観的な気持ちでビジネスを行っていくのがいいのです。
トップダウン方式、ボトムアップ方式の両方の視点から、ぜひ、ビジネスの構想を練ってみて下さいね。
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