尼崎の創業支援税理士が教える!
「創業融資の際の「金利」は、どこまで交渉すべきか?」 2016.07.05
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 これまで創業融資について、いろいろ解説してきましたが、融資を受ける際に気になる条件の1つに「金利」があります。 契約時に決まった金利によって、支払うべき利息の金額が決まってしまうのですから、できるだけコストを下げたいと考える人からすれば、当然、気になるものでしょう。 ところで、この金利というのは一体どのようにして決められるのでしょうか? |
押さえておきたいポイント
金利決定のメカニズムは、次の3つ
- ①制度融資の金利
日本政策金融公庫や信用保証協会の制度融資の中には、あらかじめ金利が決められているものがあります。
「不況業種の救済」「独立開業者の支援」といった政府の施策に連動しているため、金利は元々低めに設定されており、誰が利用しても金利は同じになります。
- ②貸し手の収益構造
信用金庫は、都市銀行に比べて一般的に0.5%から1.0%程度、貸出し金利が高く設定されています。
これは収益構造の違いが理由です。
都市銀行は市場から大ロットで資金を調達し、大企業向けに大ロットで融資を行うため、効率良く資金を調達・運用できます。
一方、信用金庫は、職員が小ロットの定期預金を数多く集め、中小零細企業向けに小ロットの融資を数多く行うため、都市銀行に比べてコストがかかります。
一般的な商売と同じで、取扱高が大きいほど安く提供できるという訳です。
- ③借り手の信用リスク
借り手の信用リスクによっても金利は変わります。
金融機関は、借り手の信用リスクに応じて引当金を積んでいるので、引当金以上の金利設定をしなければ取引採算を確保することができません。
当然ながら、各融資先との取引採算を計算しているので、採算が取れていない融資先に対しては、採算が合うよう金利を上げる、もしくは取引を解消するなどの対応策を定期的に検討しています。
金利はこのようなメカニズムによって決定されているようですが、借りる側にはなかなか理解しづらく、
・「本当はもっと安い金利で借りられるのでは?」
・「他の企業よりも高い金利を払わされているのでは?」
といった疑念がわいてくる人も多いでしょう。
では、創業融資を受ける際には、とことん金利にこだわって交渉すべきなのでしょうか?
結論から言うと、私は創業融資時には特に、金利にこだわらない方が良いと考えています。
貸す側の金融機関の融資担当者からすると、創業融資の申込者に対して
・この人は、本当に利益をしっかりあげることができるのか?
・この人は、貸したお金をきっちり返してくれるのか?
といった疑念をもっている訳です。
そんな中で、金利の交渉ばかりしてくる人に対しては、声には出さないものの
「まだ、何の実績も上げてないヤツに“金利、なんぼ?”って言われてもなあ」
と考えてしまい、それまで融資に対して積極的だった姿勢が、一変して消極的になることも考えられます。
私は、金利に対して金融機関は概ね正直であると考えています。
理由は金融機関も競争にさらされているからです。
金融機関が借り手を上手に説得して、信用状況よりも高い金利で融資を行ったとしても、すぐに他行が低い金利で肩代わりを提案してきます。
肩代わりされてしまうと元も子もないので、多少の幅はあるにせよ、概ね適正金利で提案が行われているはずです。
だから、特に創業融資時には、あまり金利にこだわりすぎない方が良いと考えます。
そして、会社の成長に合わせて、徐々に取引銀行を増やしていき、競争原理を働かせていけば、金利は自ずと適正に近づいていくはずです。
創業融資を検討される方は、上記をしっかりと押さえて検討して下さい。
もちろん、私どもでは創業融資の際の注意点について、しっかりとアドバイスさせて頂きます。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
起業成功のノウハウが詰まった拙著『起業するならもっと数字で考えなきゃ!』、よろしければ読んで下さいませ。
![]() | ![]() | ![]() |