【ココだけの話】無借金経営ってどうなの?メリット・デメリットをお伝えします! 2022.2.1
こんにちは、(元メガバンク出身)創業融資専門家の宮谷祐史です。
無借金経営という言葉を聞いたことはあるでしょうか。 借金もなく経営しているなんて立派じゃないか!と思う方も多いかと思います。 しかしながら、無借金経営は実はメリットだけではなく、デメリットも存在するので、必ずしも良いとは限りません。 そこで、今回は無借金経営のメリット・デメリットについて解説していきます。 |
無借金経営とは?
無借金経営とは他者からの借入をせず、会社を運営していることをいいます。
一般的には金融機関からの融資がなく、経営していることですね。
例えば、下記のケースは無借金経営となります。
・買掛金や未払金がある場合
・ベンチャーキャピタルやエンゼル投資家などから出資を受けている場合
一見すると、借金がない無借金経営はメリットしかなさそうですが、実はそうではありません。
次の章から無借金経営のメリット・デメリットについて解説していきます。
無借金経営のメリット
無借金経営の主なメリットは下記の通りです。
・利息や返済の負担がない
・倒産の危険が低い
・会社を売却するときに評価が高くなりやすい
借金がないので、よほどのことがなければ、倒産の危険性はありません。
利息負担もないので、無駄な支出がなく、損益計算書にとってもプラスとなります。
また、無借金経営は自己資本比率、流動比率など経営指標が良くなる傾向になりますので、会社を売却するときにもプラスに働きます。
このように無借金経営はメリットも多く、日本の経営者は無借金経営を目指している方も多いです。
無借金経営のデメリット
無借金経営の主なデメリットは下記の通りです。
・急な経営悪化に弱い
・経営規模を拡大しにくい
無借金経営は急な経営悪化に弱いというデメリットがあります。
金融機関は無借金経営を貫いている企業よりも、借金を滞りなく返している企業の方を優先するためです。さらに、新規の融資には審査が厳しいという面もあるため、有事の際の金融機関からの資金調達が難しくなります。
また、借金が少ないということは保有資産も少ないということとほぼイコールです。
ですので、急に経営が悪化した場合、保有資産も少なく、融資も見込めないため、経営が苦しくなったという事例は少なくありません。
代表的な事例として挙げられるのが大塚家具です。
約20年間無借金経営を貫いてきましたが、社長が交代して経営が急激に悪化し、対応できなくなりました。
結果として、倒産の危険になり、ヤマダホールディングスに身売りすることとなりました。
このように無借金経営は急な経営悪化に弱いというデメリットがあります。
また経営規模を拡大しにくいというデメリットもあります。
一般的には、使える資産が多ければ多いほど利益も高くなる傾向にあります。
そのため、企業はさらなる利益を求め、資金調達を行い、規模を拡大していくのです。
しかしながら、無借金経営であれば自社の保有している資産しか使えないため、使える資産は限定的です。
必要なときに、必要な分だけのお金を使えないことが多く、経営規模を上手く拡大できないということが少なくありません。
このように無借金経営は経営規模を拡大しにくいというデメリットもあります。
まとめ
今回は無借金経営のメリット・デメリットについて解説してきました。
無借金経営はメリットだけではなく、デメリットもあるということですね。
小規模な事業者や、安定した事業を営んでいる場合は無借金経営でも問題ないケースが多いかと思います。
しかしながら、これから規模を拡大していこうという事業者や、不安定な業種の事業者は必ずしも無借金経営が良いこととは限りません。
自社の状況に合わせて、無借金経営にするか、借入をするか検討していくことをおすすめします。
いかがでしたか。
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