尼崎の創業支援税理士が教える!
「融資の申込に必要な創業計画書は、どこでアピールすべきか?」 2016.05.13
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 前回は、借入活用の効果について解説しました。 「借入はした方がいいのか?しない方がいいのか?」の記事はこちら
創業時に借入をする場合には、日本政策金融公庫、信用保証協会の保証付融資が王道です。 そのいずれも、融資の申し込みにあたり、創業計画書の作成が必要となります。 |
この創業計画書の様式は、申込先によって若干異なりますが、記入しなければならない項目はほぼ同じ。
この創業計画書の内容が、融資可否判断の重要な材料となります。
にも関わらず、この創業計画書を「ただ埋めれば良いもの」と安易に考えている起業家がとても多いようです。
私も、この創業計画書の書き方についてたくさんの相談を受けてきましたが、5割の計画書は、30秒眺めただけで、「これでは無理」と判断してしまう残念な代物です。
では、創業計画書では、いったいどんなところを見られているのでしょうか?
実は、創業計画書での重要な審査ポイントは、次の3つなのです。
重要ポイント1 どんな事業を行おうとしているのか?
(取扱商品・サービス/事業内容/強み・セールスポイントなど)
ここには、商品・サービスの名称、内容、価格などを記載していきますが、ここでアピールしなければならないのは、次の2つです。
・なぜ、お客様があなたの商品を買うのか?
・競合他社とは違う、あなたの商品独自のメリットは何か?
この項目で金融機関が知りたいのは、あなたの商品が「売れる理由」です。
だから、商品のウリは何なのか、他の商品とどこで差別化するのか、価格はどれくらいなのか…… などを、競合他社の商品と比較して説得力を持たせましょう。
重要ポイント2 なぜ、あなたがその事業を行わなければならないのか?
(創業の目的・動機/事業の経験など)
創業の動機では、あなたがこの事業を始めようと考えた理由、あなたが果たすべき役割など、あなたのミッションについて記載します。
「創業の目的」では、あなたはこの事業を通じて、どこに向かおうとしているのか、目指すべきゴールがどこなのかを記入します。
あなたのこの事業にかける熱い思いをアピールするのが、この項目です。
一方で、金融機関は、なぜあなたがその事業を行わなければならないのか、その必然性についても詳しく知りたがります。
だから、「事業の経験など」の箇所は非常に重要なポイントになります。
日本政策金融公庫の「新創業融資」では、あなたがこれから始める事業と同様の業務に6年間以上携わったかどうかが、融資要件として挙げられています。
まったく未知の分野で起業するより、経験豊かな分野で起業する方が、成功確率が高いことを金融機関は知っています。
だから、これまでに達成してきた成績や、蓄積してきたノウハウなど、あなたの武勇伝をここでしっかりアピールしましょう。
重要ポイント3 本当に売上は上がるのか?
(取引先・取引条件等/販売先・仕入先/事業の見通し/収支計画)
先の2つをうまくアピールできたとしても、金融機関からすると、「本当に売上はあがるのか?」というところが心配になります。
なぜなら、売上が上がらなければ、事業を継続していくことはできません。
ということは、貸したお金も返ってこなくなるからです。
そこで、「取引先・取引条件など/販売先・仕入先」では、具体的な見込客を数社あげておくことが理想です。
注文書や契約書などを事前に入手することが可能であれば、それらも添付資料として提出すると、より強力なアピールとなります。
「事業の見通し/収支計画」では、右肩上がりのバラ色の収支計画ではなく、これだけの売上が上がれば借入の返済が可能です、というような保守的・現実的な計画の方が望ましいです。
ここで金融機関が確かめたいのは、収支計画、特に売上計画の実現可能性だからです。
この3箇所をしっかりアピールしようと思えば、創業計画書の様式だけではスペースが足りないでしょう。
その場合は、別紙にまとめて提出すればよいのです。
創業計画書は、ただ出せば良いというものではありません。
金融機関が何を知りたがっているのかを理解し、融資先として適格であることを猛烈にアピールする必要がありますので、創業融資を検討されている方は、一度、専門家に相談をされてみることをオススメします。
もちろん、私どもでも創業計画書の作成については、しっかりとアドバイスさせて頂きます。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
起業成功のノウハウが詰まった拙著『起業するならもっと数字で考えなきゃ!』、よろしければ読んで下さいませ。