尼崎の創業支援税理士が教える!
「借入はした方がいいのか?しない方がいいのか?」 2016.04.22
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 前回は、起業時に考えておきたい資金計画について解説しました。
起業時にはできるだけ資金に余裕がある状態でスタートした方が良いです。 とは言っても、自己資金だけで十分に余裕があるという起業家は少数派です。 そうなると、資金の借り入れについても、検討する必要があります。 そこで、今回は借入について考えてみましょう。 |
経営者や経理・財務の責任者に、「理想の経営状態はどんな状態ですか?」と質問すると、
「無借金経営」と言われる方が多いです。
無借金経営とは、文字通り、他からの借入を一切活用していない経営状態のこと。
借入がない状態なので、借入に伴う利息などの支払いが発生することもないし、
毎月の借入返済に追われることもありません。
まあ、経営者や経理・財務の責任者からすると、
気持ちに余裕を持つことができる状態という訳ですね。
一方で、「無借金経営は愚の骨頂」と言われる方も意外に多いです。
「無借金経営」という状態は銀行から借入をし、返済をしている実績がない、
あるいは、その実績が遠い過去であるために、
いざ資金繰りに困って銀行から融資を受けようとしても、
すぐに借りることが難しい。
そのため、常にある程度の借入をしておいた方が、気持ちに余裕が生まれる。
利息は、そのための保険料みたいなもの、という訳ですね。
果たして、どちらの考え方が正しいのか、正直、私にはわかりません。
しかし、1つ言えるのは借入をすること自体は何にも悪いことではありません。
重要なポイントは、借りたお金を何に使うかということです。
押さえておきたいポイント
借りたお金を、利益を生むものに使えば、成長が加速する
ここで、具体的な数字を使って借入活用の効果を考えてみましょう。
仮に、あなたには自己資金500万円があり、あるお店を開業することになったとしましょう。
1店舗出店するのに必要な投資額は500万円、
1店舗の予想売上高は年間1000万円、
売上高に占める予想利益率が10%とすると、
予想される年間利益は100万円となります。
ここで、あなたが借入に対して消極的だった場合、
自己資金が500万円しかないので、1店舗しか出店ができません。
その結果、1年間で得られる売上高は1000万円、
利益は100万円と予想されます。
一方、あなたが借入に対して積極的だった場合は、どうなるでしょうか?
自己資金500万円に加え、1000万円の借入を行ったとすると、
いきなり3店舗も出店できます。
すると、1年間で得られる売上高は3000万円、
利益は300万円と予想されます。
もちろん、借入に対しては利息を支払わなければなりませんが、
仮に金利を2%とすると、利息は年間20万円。
先ほどの利益から差し引いても280万円となります。
つまり、積極的に借入をした場合、
1年間で売上は3倍、利益は2.8倍にもなります。
もちろん、借入の活用が有効になるのは、借りたお金で利益が生み出されるもの、
それも投資利益率が金利よりも高いものに投資した場合だけです。
何ら利益を生み出さないものに借りたお金を使うくらいなら、
もちろん借入などしない方が良いでしょう。
借入をするかどうか悩んでいる方は、一度、専門家に相談をされてみることをオススメします。
もちろん、私どもでも「借入すべきかどうか」については、
しっかりとアドバイスさせて頂きます。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
起業成功のノウハウが詰まった拙著『起業するならもっと数字で考えなきゃ!』、よろしければ読んで下さいませ。