(元メガバンク出身)創業融資専門家が教える!【創業融資はこれで安心】
日本政策金融公庫への融資で準備すべきことをズバリお教えします!2020.10.06
こんにちは、(元メガバンク出身)創業融資専門家の宮谷祐史です。
「飲食店を始めたい。創業融資はどうやって調達するの?」 「銀行なんて行ったことないから、なにをどうやって準備すればいいかわからない!」 この疑問には 「創業融資には事業計画書が必要不可欠!」が答えとなります。
今回は、飲食業起業における事業計画書について説明していきます。 飲食業という業種の特有性を踏まえ、 つまり飲食業ならではの、事業計画書を作成するとき気をつけたい3つのポイントを説明します。 |
<飲食業の事業計画書~ポイント3選>
- どこが違うのか?~「特異性、差別化」
- どこに? 何に? いくら?必要になるのか~「設備投資の妥当性」
- 融資を返済できるのか?~「資金繰りの現実性」
なお、今回は主に事業計画書を作るうえでの「基本スタンス」「考え方」といった内容です。具体的な数値の設定などは、機会があれば別の記事で触れたいと考えています。
ポイント1.どこが違うのか?~「特異性、差別化」
飲食業は、創業当初なら比較的小規模でスタートするものです。
これは裏を返せば「比較的簡単に創業できる」、つまり競争相手も多いという論法になります。
設備投資や資金繰り(後述)も大事ですが、競争相手が多い飲食業界では
「ウチはよそと比べてココが違います!」
といった特異性、差別化が求められ、金融機関で飲食業の事業計画を見るときは、ここをまず重視します。
特異といっても決して奇をてらった、という意味ではなく、なにかひとつでも「光るもの」が必要なのです。
金融機関は成功例や失敗例を多く見ていますので、
「良くある〇〇料理店」
「ごく普通のレストラン」
これでは、上手くいかないと判断される可能性があります。
たとえば「ごく普通」を徹底的に突き詰めて、店の作りからメニューや雰囲気など、あえて何十年も前からあった古いお店風に新築するなど、工夫が必要になります。
事業計画書なら「開業の動機」「開業後の営業方針」といった欄に記載します。
事業計画における特異性、差別化は金融機関に対する強みのアピールでもあり、これくらいのアピールができなくては、融資を受けるのもむずかしいでしょう。
ポイント2.どこに? 何に? いくら?必要になるのか~「設備投資の妥当性」
次にチェックされるのは「設備投資の妥当性」です。
飲食業創業で必要な資金は、ほとんどが設備資金です。
たとえば材料費や人件費などのいわゆる「運転資金」は、通常の事業活動の過程でまかなうべき(これが事業を運転するという意味です)と金融機関は考えます。
「飲食店と理美容店に運転資金は必要ない」という考え方もあるくらいです。理美容業界でも運転資金はほとんど人件費で、飲食業と理美容業で運転資金を借りるのは特異なこと(例外はあります)となのです。
前置きが長くなりましたが、飲食業の創業融資では設備計画も非常に重要となります。
どこに?何に?いくら?必要になるのか、設備投資額やその目的、期待される効果など詳細に説明する必要があります。
そのため新規開業計画書とは別に「設備計画書(飲食店用)」とわざわざ飲食業専用の書式まで作られています。
それくらい、飲食業の創業計画チェックでは、設備計画とその妥当性検証に力が注がれるということは、ぜひ知っておいてください。
ポイント3.融資を返済できるのか?~「資金繰りの現実性」
「1.特異性、差別化」で成功へのアピールを、そして「2.設備計画の妥当性」で創業融資をしっかり役立てますと説明し、3つめのポイントで「融資はちゃんと返していけます!」と結論づけることになります。
事業計画(開業計画、設備計画)には必ず「資金計画」の欄があります。
「設備投資にこれだけ必要で、売上から経費を差し引いてもこれだけ残ります。残ったお金で融資を返済し、生活費のぶんもしっかり稼いで暮らしていけます」
これを資金計画で数値化し説明することになります。
また資金計画は、さらに以下2つに分かれます。
①「調達計画」(必要な資金をどうやって調達するか)
②「返済計画」(収入と支出を一覧にしたもの)
①調達計画は「創業にはいくら必要で、融資はこれだけ、あとは自己資金」という内容
②返済計画は「売上はいくらで、経費をこれだけ払い、融資の返済をして、生活費もまかなって、これくらいお金が残ります」という内容です。
資金繰りの実現性をしっかり証明できないと、飲食業で創業融資を受けるのは、やはりむずかしいでしょう。
▲まとめ
飲食業の事業計画書の3つのポイントとして
「ウチはよそと比べてココが違います」(特異性、差別化)
「どこに、何に、いくら必要でちゃんと役立てます」(設備計画の妥当性)
「そして資金繰りもちゃんと考えているので融資は返済できます」(資金繰り現実性)
もちろん計画はあくまで計画であり、成功する保証などありません。
大事なのは熱意と、数値に基づく論拠(多少は楽観的でもいいのです)があること。
しかし、実際そのような説明ができる事業計画書を独力で作るのはむずかしいかも知れません。
そこで税理士や会計士などの専門家、特に創業融資に強い「頼れるプロ」に事業計画作成を相談するのも良いと思います。
熱意は自分で、論拠と説明資料は「頼れるプロ」に任して創業融資を受けられるように、ぜひ参考にしてください。
いかがでしたか。
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