赤字でも融資を受けられますか?ズバリお答えします! 2025.5.27
こんにちは、税理士の定本です。
融資を受ける際には、黒字であることが望ましいのは言うまでもありません。しかし、赤字経営になっていても融資を受けられるケースがあります。 赤字でも融資を受けられるのはどのような場合か、ズバリ本稿で解説していきます。 |
赤字経営の場合に金融機関は融資を渋り「原則不可」
銀行や信用金庫から事業者が融資を受けたい場合、赤字では原則的に難しいと言われています。
それは赤字決算の事業者は信用がないからです。赤字決算の事業者がそもそもお金を借りて、どこから返済原資をねん出するのでしょうか?
赤字事業者に対して金融機関が感じる返済能力に対する不安が強く、そのため融資が拒否されることが一般的です。
返済できるほどの稼ぎがないのに、お金を貸しても、回収不能リスクだけが高くなります。そのため、黒字であっても、その融資額で返済できるのか融資の審査を非常に慎重で厳しいものになります。
黒字であっても厳しい審査なのですから、赤字経営の場合、銀行融資の審査に通ることとても大変です。ただし、赤字でも「原則」不可なので、当然「例外」はあります。以下で例外的に赤字でも融資が許可される事例を挙げます。
例外的に赤字でも融資を受けられるケース5つ!
赤字でも例外的に融資を受けられるケースがあります。これらに該当する場合は、ぜひ金融機関の担当者へ理由を話してみましょう。話さずに融資を申請し不可になると、そのことも信用情報に記載されてしまい以後さらに不利になってしまうかもしれませんので、慎重な対応をお願いします。
①大型設備投資や特別損失を計上した
会社の本社を立て替えた、大型設備を購入したなど前向きな支出で一時的に赤字になったケースや不良債権処理によって回収不能債権を特別損失に計上した場合など、本業の業績悪化ではなく、因果関係がはっきりしていて赤字を計上した場合です。
一時的に見かけ上の赤字にはなりましたが、以後さらに業績が改善することも予想されることもあり、融資の審査に通る可能性があります。
②起業したばかりで日が浅い
起業して1年目の場合、赤字でも融資を受けやすいのが特徴です。
事務用品や什器備品の購入、物件の契約、店舗造作など、1年目は事業をするための初期費用がかかることは皆が理解しています。
赤字が発生していたとしても、翌年度以降に黒字になる根拠を明確に示せれば融資を受けられます。
ただし、通常の融資ではなく「創業融資」の枠組みになります。1期分の決算書もない事業者へ通常の融資は行いません。
「創業融資」なので、事業計画書、創業計画書が必須で、融資額の半額~三分の一程度の自己資金も必要になります。
③自然災害や事故など突発的な理由である
赤字決算で融資を受けやすいものとして、自然災害や事故など不可抗力によるものが挙げられます。
台風や地震で建物が罹災に営業ができなくなった、トラックがいきなり店舗へ突っ込んだ、隣の建物から出火した火事に舞いこまれたなど、自然災害や人災による営業の停止、および売上の低下については、金融機関も事情を斟酌します。
④担保となる資産を保有している
担保付き融資であれば、返済不能なった際のリスクもある程度ヘッジされるので、赤字でも融資を受けられることもあります。
しかし、担保付き融資で返済できなかった場合、担保の差押え→競売という流れになり、裁判所も関与します。当然信用情報にもマイナスとなり信用を失います。
いらない資産ならば、担保付き融資の「デットファイナンス」ではなく、資産を売って換金して資金調達する「アセットファイナンス」という手法も検討してください。
⑤過去の返済実績が良好で「お得意様」である
すでに「お得意様」として金融機関から一定の信用を得ている場合、一時的な赤字ならば融資が実行される可能性があります。
これまでの「お付き合い」で上客だと判断されているなら、そのお客様からのお願いを金融機関は無下にできません。
ただし、これができるのは長年取引がある金融機関のみであり、新規の金融機関にお願いしても、ただの赤字の融資希望者ということで却下されてしまいます。
赤字でも理由をしっかり説明できるなら融資を受けられるかも!?
今回紹介した理由ならば赤字でも融資を受けられる可能性があります。要は、如何に「返済不能リスク」を減らせるかが重要です。
- ・因果関係がはっきりしていて納得できる赤字
- ・返済不能リスクがないことの証明や返済不能時の代替手段
これらを明示できれば、赤字原則不可の金融機関融資も例外的な対応を受けられるかもしれません。
逆に営業不振で赤字の場合、好転する見込みがなければ融資は厳しいことになります。
自社がどのような理由で赤字なのか、しっかり俯瞰してみてください。
よろしくお願いいたします。
いかがでしたか。
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