融資審査で注意しておくべき貸借対照表のポイント 2024.10.15
こんにちは、(元メガバンク出身)創業融資専門家の宮谷祐史です。 金融機関で融資を受ける場合、金融機関は企業の業績等を把握するため、決算書を求めるのが一般的です。とりわけ、貸借対照表について、金融機関は注視する傾向にあります。 今回は、企業側が融資審査において、貸借対照表の注意すべきポイントについて解説しますので、企業運営の参考にしてください。 |
貸借対照表とは
金融機関に融資を申し込む際、金融機関はさまざまな資料の提出を求めます。代表的な資料が決算書です。
決算書は、「貸借対照表」「損益計算書」等からなり、企業の財務状況が把握できます。
貸借対照表の構成
貸借対照表は以下の3つから構成されているので、それぞれ解説します。
「 資産」
資産とは、会社が保有する財産です。金銭的な価値を持つ財産はもちろん、今後会社の収益をもたらす可能性のあるものも資産としています。
具体例として、現金・売掛金・商品・貸付金・土地・建物等があります。
「負債」
負債とは、会社が支払う義務のあるものをいいます。具体例として、買掛金・未払金・借入金等があります。
「自己資本」
自己資本とは、資産と負債との差額です。純資産ともいいます。株主資本と株主資本以外から構成されていて、返済の必要のない資金です。
株主資本には、資本金・資本剰余金・利益剰余金があります。
貸借対照表で注意すべきポイント
金融機関が融資審査を行う場合、金融機関はどのような点に注意して貸借対照表をチェックするのでしょうか。
資産・負債・自己資本それぞれについて紹介します。
「資産」
資産で注意する勘定科目として、以下のものがあります。
- ・現金
- ・売掛金
- ・商品
- ・建物や機械・設備等の固定資産
現金において、実際に手持ち現金と合致しているのかをチェックする必要があります。
売掛金において、回収漏れがないか注意しましょう。未回収である売掛金は、金融機関は不良債権とみなします。
商品は、摩耗や劣化等により、商品として販売できないものが含まれていないかをチェックしましょう。
固定資産について、耐用年数に応じて、減価償却が適切に行われているのかチェックします。減価償却がされていないと、利益を上乗せしていると判断されかねません。
「負債」
負債について注意すべき点として、次の科目があります。
- ・支払手形
- ・未払金、未払費用
- ・借入金
支払期日までに支払えず、支払期日を延長している手形がないかどうかをチェックします。
借入金や税金、社会保険料等に滞納があれば、審査の俎上にあがりません。
滞納があれば、速やかに納めるようにしましょう。
借入先や借入金額、返済期間や返済金額等、返済可能であるのかについても精査します。
「自己資本」
自己資本においては、債務超過であるかをチェックします。債務超過とは、負債が資産より大きい状態をいいます。
債務超過であると、金融機関の審査は相当厳しくなるので、債務過多とならないようにすることが重要です。
まとめ
融資を申し込むにあたって、金融機関が貸借対照表でどのような点を注視しているのかを、経営者は知っておく必要があります。
日ごろから取り上げた勘定科目を意識した事業活動を行うことで、貸借対照表は変化し、金融機関の見る目が変わります。
資金調達が円滑に行われるためには、金融機関の融資は不可欠です。
ここで取り上げた勘定科目を意識して事業運営を心がけましょう。
いかがでしたか。
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