起業家にはぜひ知って欲しい 運転資金と設備資金の違いについて 2022.9.6
こんにちは、(元メガバンク出身)創業融資専門家の宮谷祐史です。
起業家の方にとって、必ず知っておいて欲しいことの一つに「運転資金」と「設備資金」の違いがあります。 融資審査の時に使う言葉で、似たような言葉ですが、中身は大きく異なります。 誤って認識したまま融資審査に臨むと大きな不利益となることも。 そこで今回は運転資金と設備資金の違いについて解説していきます。 |
運転資金とは
運転資金とは継続的に必要となる資金のことをいいます。
ランニングコストとも呼ばれ、会社の事業運営に必要な資金のことを言います。
運転資金の主な使用用途は下記の通り。
- ・商品の仕入れ代金
- ・人件費
- ・家賃
- ・光熱費
- ・外注費
- ・通信費
- ・クラウドサービス利用料
運転資金は様々な用途で利用でき、自由度が高い資金といえるでしょう。
設備資金とは
設備資金とは一時的な資産性の高い設備への投資に必要な資金です。
設備資金の主な使用用途は下記の通り。
- ・不動産の購入
- ・社用車の購入
- ・ホームページの制作費用
- ・賃貸物件の入居費用
- ・パソコンやOA機器などの備品
不動産や車のような有形資産だけではなく、ホームページ作成・ソフトウェアの購入費用などのIT投資、商標権といった知的財産権などの無形資産についても設備資金となります。
設備資金は利用用途が限られています。
融資審査時には見積書などを提出し、こういった設備にいくら必要と具体的に説明する必要があります。
運転資金と設備資金の違いとは
運転資金と設備資金の大きな違いは「利用用途」と「融資期間の長さ」の2つです。
利用用途は運転資金の方が、設備資金よりも自由度が高いです。
設備資金は具体的な見積書や領収書を提出し、いくら融資が必要なのかを説明する必要があります。利用用途以外に設備資金を利用すると契約違反として一括返済を求められることもあります。
運転資金は事業に利用する資金であれば細かい内訳は問われません。
柔軟性が高い資金を使いたいときは運転資金の方が好ましいといえるでしょう。
一方で、融資期間の長さは設備資金の方が、運転資金よりも長いです。
公庫融資では運転資金が7年以内に設定されているのに対して、設備資金は20年以内と長めに設定されています。
融資期間を長めに設定したいといった場合には、設備資金の方が優れているといえるでしょう。
まとめ
今回は運転資金と設備資金の違いについて解説してきました。
運転資金は継続的に必要となる資金で自由度が高く、融資期間が短めに設定されています。
設備資金は一時的に必要となる資金で自由度が低く、融資期間が長めに設定されています。
2つの資金は明確に特徴が異なるので、しっかりと把握した上で融資審査に臨みましょう。
いかがでしたか。
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