尼崎の創業支援税理士が教える!
「起業家が押さえておくべき、赤字と黒字のボーダーライン」 2016.09.27
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 前回は、「コストの使い方」をテーマに、変動費と固定費について解説しました。
実は、コストを変動費と固定費に分けるのは、使い方の順番を考えるだけでなく、起業家が押さえておくべき、赤字と黒字のボーダーラインとなる売上高、を計算するのにも使えます。 |
そこで、今回はその計算方法を解説します。
会計の世界では、この赤字と黒字のボーダーラインとなる売上高を「損益分岐点売上高」と呼びます。
この損益分岐点売上高の計算方法は、まず事業で必要となるコストを、「変動費」と「固定費」に分けることから始まります。
前回のおさらいになりますが、「変動費」とは、売上の増減にともなって、変動する費用でした。
例えば、小売業での商品の仕入コストや、製造業での材料費や外注加工費。
その他、商品を発送するための配送料や、お客様を紹介してくれた先に支払う紹介手数料などがあります。
一方の「固定費」とは、売上が増えても減っても、変わらずに発生する費用でした。
例えば、人件費や家賃は売上が増えても、仮にゼロであっても、その支払額は変わらないし、広告宣伝費や研究開発費などは、将来の売上を増やす目的で支出するものの、その支出段階では、実際に売上に結びつくかどうかはわからないので、固定費として考えます。
まあ、どちらか判断のつかないものは、とりあえず「固定費」としてもいいでしょう。
次に、計算するのが「限界利益率」と呼ばれるものです。
例えば、前回の記事の問題の場合
売上高から変動費を差し引いたものを限界利益と呼び、この利益率を計算します。
このケースだと、次のようになります。
A案 限界利益60万円 ÷売上高100万円=60%
B案 限界利益20万円 ÷売上高100万円=20%
そして最後に、事業に必要となる固定費を、この限界利益率で割ると赤字黒字のボーダーラインとなる売上、損益分岐点売上高が算出されます。
このケースだと、次のようになります。
A案 固定費50万円 ÷ 限界利益率60%= 83.3万円
B案 固定費10万円 ÷ 限界利益率20%= 50万円
つまりA案であれば、売上が83.3万円を超えれば、B案であれば売上が50万円を超えれば、黒字になるということが試算できるのです。
起業家は、やはり早期の黒字化を目指したいところ。
そのためには、どれだけの売上をあげれば黒字になるか、しっかい押さえておきたいところです。
もちろん、私どもでは、創業計画をお聞かせいただいたら、黒字にするのにどれだけの売上が必要かを試算して、しっかりとアドバイスさせて頂きます。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
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