尼崎の創業支援税理士が教える!「資金計画は4つに分けて立てよう」 2016.04.15
こんにちは、創業支援税理士の香川晋平です。 以前、関西大学で会計学の講義をしていた時に、よく学生に次のような質問をしました。 「会社が潰れるのは、どんな時か?」 この質問に対して最も多かった答えは、「赤字になった時」。 残念ながら、そうではありません。答えは「お金がなくなった時」。 つまり、仕入先や従業員への支払いができなくなった時に、会社は潰れるのです。 |
逆に言えば、仮に赤字が続いても、お金が残っていれば、潰れることはありません。
だから、起業をする際には、できるだけお金に余裕がある状態でスタートできる方がいいですよね。
では、具体的に、どれくらいの資金を準備しておく必要があるのでしょうか?
私は、資金を下記の4つに分けて計画を立てるべきだと考えています。
ポイント1 設備資金
「設備資金」とは、事業を始めるに際して必要なものですが、1度支払って手に入ってしまえば、長期間にわたって売上に貢献してくれるようなものです。
例えば、製造業であれば機械装置、飲食店であれば、厨房設備や空調設備・内装など、運送業ならトラックなどが、これに該当します。
これらは、初期の段階でまとまった資金が必要となりますが、いったん入手してしまえば、寿命が来るまで使い続けることができます。従って、購入した年度に1度に費用として計上するのではなく、寿命が来るまでの期間に応じて、少しずつ費用として計上します。
ポイント2 運転資金
「運転資金」とは、起業時にそろえる必要がありますが、その後、売上によって短期間で回収が見込まれるようなものです。
製造業での材料仕入れや、小売店での商品の在庫、飲食店での食器などの消耗品類のほか、集客に必要なホームページ、チラシなどの販促ツールにかかる費用などです。
これらは、通常1年以内に使い切ってしまうので、その期の費用として計上します。
ポイント3 赤字補てん資金
「赤字補てん資金」とは、創業当初に発生しやすい赤字のリスクに備えるためのものです。
これまで多くの起業家の資金計画を見てきましたが、実は、この「赤字補てん資金」を見込んでいない方が非常に多いです。
自分の頭の中では起業したらすぐに売上があがると計算しているのでしょうか?
実際、事業が軌道に乗り始めるのは、だいたい半年後くらい。早く軌道に乗る場合でも、3か月くらいかかっているように思います。
従って、この「赤字補てん資金」をしっかり見込んでおくことが、起業を短命で終わらせないためのポイントになります。
ポイント4 生活資金
最後の「生活資金」とは、起業家であるあなた自身の生活費です。
サラリーマンは、たとえ会社の業績が不振でも、会社に行って仕事さえしていれば給料がもらえます。自分が提供した労働時間に対する対価が給料だからです。
ところが、起業家は違います。いくら長時間働いたとしても、利益が出なければ給料は出ません。起業家は、自分が生み出した利益に対する対価が給料になるからです。
とは言え、起業家にも家族があるし、生活していくための最低限の資金は必要です。
そこで、あなたが生活資金として確保すべき分も資金計画に入れておき、それを役員報酬として計上する必要があります。
起業時に、この4つの資金について、しっかり計画を立てておくと、心に余裕ができますので、一度、専門家に相談をされてみることをオススメします。もちろん、私どもでも「資金計画」については、しっかりとアドバイスさせて頂きます。
初回無料相談ですので、尼崎、西宮、伊丹、宝塚、大阪市西淀川区などの阪神間の起業家の方は、お気軽にご相談下さいませ。
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